《海底2万マイル》の航“読”記
この日、ガバナー・ヒギンソン号が動く塊に遭遇します。
《海底二万マイル》の書き出しは怪獣映画の正しいイントロです。事実を細かく積み上げていくのは現実から物語への階段を作る手続きです。
最初は痕跡なんです。徐々に徐々に正体に近づいていく。
しばらくまえから、“何か”の目撃談はありましたが、それは従来の海の怪物のほら話特別できるものではなかったのだと思われます。しかしガバナー・ヒギンソン号の事例は単なる目撃談にとどまりませんでした。
海図未登載の暗礁と思われたということですから、そこだけ波が騒ぐ中に何か黒いものが見えたのでしょう。それは轟音とともに二条の噴気を吹き上げます。この噴気が確認されたのはこれが最初だったのでしょう。それがためにほかの目撃談を区別されることになったのではないかと思います。
噴気孔が二つある新種の鯨でしょうか?それとも二匹の並んで泳ぐ鯨か!